村治佳織&奏一ギター・デュオ(12/9/30)視聴記

村治佳織&奏一ギター・デュオ(12/9/30)視聴記

1. 日時: 2012年9月30日(日)15:00-17:10

2. 名称: 村治佳織&奏一デュオ・ギターコンサート

3. 場所: 三田市総合文化センター郷の音ホール大ホール

4. 料金: 3,325(Web前売り券)

5. プログラム:
 (1) J.S.バッハ(村治奏一編)/プレリュード(BWV1006より)
 (2) F.カルリ/ヴェニスの謝肉祭による序奏、テーマ、変奏と終曲
 (3) L.ボッケリーニ/序奏とファンダンゴ
 (4) E.グラナドス/ゴイェスカス間奏曲
 (5) F.タレガ(J.アスピアス編)/アルハンブラの想い出
 (6) M.de.ファリャ/粉屋の踊り
 (7) M.ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
 (8) A.ピアソラ/ブエノスアイレスの秋
 (9) 坂本龍一/プレリュード
 (10)ビージーズ(佐藤弘和編)/愛はきらめきの中に
 (11)A.アイエタ/白い小鳩
 (12)E.サティ(藤井眞吾編)/グノシェンヌ第1番、ジムノペディ第1番
 (13)A.ピアソラ/タンゴ組曲
 (14)S.ジョブリン/ジ・エンターテイナー
  注)(7)(8):村治奏一独奏、(9)(10):村治佳織独奏、
    (14):アンコール

6. 感想:
 (1) 郷の音(さとのね)ホールには初めて。向日市から阪急と
   JR宝塚線で1時間半。JR三田駅に14:30に着いたが、駅を
   出ると台風17号の雨と強風が直撃。傘をさせないほどの
   強風のため、ほとんど傘をささずにうろうろとホールを探し
   歩いている内に、びしょ濡れに。何とか奇跡的にホール
   に15:00に着いた時には正に「水もしたたるいい男」。
   濡れ鼠状態でとても恥ずかしかったが、佳織さんに会うため
   にはそんなこと気にしていられない。気にせずに開演ギリ
   ギリに席につけた。974席のとても音響のよいホール。
    http://sanda-bunka.jp/index.html
   974席の大ホールが満席。ステージには富士通テンの
   イクリプスと思われるスピーカが置かれていたので、PAを
   入れていた模様であるが、自然な音色で違和感はなかった。
 (2) 14:00の開演のベルから5分遅れで佳織さんと奏一氏が登場。
   佳織さんの今日の衣装は、真っ赤なドレスに腰には黒のレース
   の帯のアクセントという華やかな装い。奏一氏は黒のタキシード。
   佳織さんは、少し髪の毛を伸ばされたようで、女性らしい美しさ
   が際立っていた。小生にとって、佳織さんのコンサートを聴きに
   行くことは、単にギター音楽を聴くことにとどまらず、佳織さんと
   同じ空間で同じ空気を呼吸することで、幸せに生きていることを
   再認識することの意味合いがある。
 (3) (1)バッハは、バイオリンパルティータ第3番の有名曲。第1曲
   目から聴衆を魅了する好演で、つかみはOK。(1)演奏後、
   佳織さんがマイクを手に「郷の音ホールは6年ぶり2回目。
   いつもステージでの呼び方に迷うが「奏一さん」と呼ぶことに
   する」との由。(2)は、テクニシャン2人が思う存分テクニックの
   冴えを披露してくれた。その後、今度は奏一氏のMC「ドイツ
   1曲、イタリア2曲、スペイン2曲で前半を構成した。(3)は
   イタリアの貴賓とスペインの情熱を表現したい」由。
   (4)はアルハンブラの想い出に新たにメロディをつけた珍しい
   曲、との佳織さん説明あり。確かに初めて聴いた珍しい編曲
   だが、独奏としてのアルハンブラに大きな魅力を付加した
   とは言い難い。(6)粉屋の踊りは、ラスゲアードが効果的に
   活用されたスペインらしい名演。
 (4) 休憩後の後半は、奏一氏の独奏から開始。(7)亡き王女は
   端正な演奏だが、もう少し音色に工夫があってもよい。(8)は
   小生の好きなピアソラ「ブエノスアイレスの四季」より。うまい!
   次に佳織さんの独奏。前半とは対照的に、萌黄色のドレスに
   草色のスカーフという、一見「ターザン」風の珍しい衣装。
   これも違和感なく似合っている!(9)(10)ともに新譜「プレリュード」
   収録曲。(9)はこれという旋律がある訳ではないので、馴染む
   まで少し時間を要す。(10)はビージーズの有名曲。どちらも
   素敵な名演。
 (5) (11)から再び2重奏。(11)アイエタは、アルゼンチン生まれの
   バンドネオン奏者。小鳩が羽を休めたり、大空を舞ったり
   する様を楽しんでもらいたいとの奏一氏MCあり。メロディアス
   な馴染みやすい作品。(12)は「フランスらしいエスプリを楽しんで
   いただければ」との佳織さんMCあり。(13)の前に、演奏会の最後
   だけ2人で会話をすることにしている、とのMCに続き、佳織さん
   はNHK旅のチカラ収録でタンザニアを訪れた逸話、奏一氏は
   トヨタクラシックス・アジア・ツアーでウィーン室内管弦楽団と
   ブルネイ、ベトナム、マレーシア、韓国、フィリピンを演奏ツアー
   で回ること、佳織さんが台東区親善大使に選ばれたこと、
   など仲睦まじい兄弟らしい会話を交わしていた。(13)の
   「タンゴ組曲」は珍しく奏一氏が1stで佳織さんが2nd。 特に
   2楽章の美しいメロディは感涙もの。文句のつけようのない
   素敵な演奏ではあるものの、この曲が献呈されたアサド兄弟
   の名演にはまだ及ばないようである。
 (6) 満員の聴衆からの拍手に応えたアンコールはジ・エンターテ
   イナー。華やかな演奏で、楽しい雰囲気でコンサートが締め
   くくられた。
 (7) ホールでのCD・DVD即売会は行なっていたが、コンサート後
   のサイン会はなし。よって、小生によるCD・DVD購入も今回
   はなし。 
 
ということで、佳織さんと至福のひと時を過ごすことができた台風下
の日曜午後でした。

では、素敵な10月をお過ごしください。

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